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エンターテイメント 228 2024.6月号
エンターテイメント231 2024.10月号
産経新聞 朝晴れエッセー (非掲載文)
(投稿するも選外)
日本人よ、かくあれ―大和の森から贈る、48の幸せの見つけ方
岡本 彰夫【文】 保山
耕一【写真】 潟Eェッジ刊
日本人に生まれてよかった
私は日本が好きだ、「日本や日本人が好きな人」が好きだ。
この本に会え、ますます日本人に生まれてよかったと思い、吉野を故郷に持ち、橿原市に住んでいられることをつくづくありがたく思えている。
この本は、大和に生まれ、半生を神前奉仕に捧げてきた、春日大社の元権宮司職にあった著者のエッセイ。一文と一文の間に保山耕一さんの写真が入る。保山氏は末期がんと闘いながら奈良の自然を映像詩として撮り続けている写真家だ。
48のエッセイの中に、「入鹿の首」いう項がある。曽我入鹿の首が飛んだという伝承のある地に建てられた「入鹿神社」は私の散歩コースにある。
なかでも「奥の奥」の項では、人間「上を目指せば限界がくる、奥へ奥へと入るのは限りがない」と生き方も示唆してくれている。
関東生まれのカミさんは橿原市に住んで50年以上になるのに、東京なまり?が取れない。それでもなぜか「春日大社」の歴史と神秘性に惹かれ、大和三山に囲まれた今の住まいを気に入っている。この本との出会いは彼女がさだまさしのファンであったことによる、帯にさだ氏の「推薦文」があるが、彼もまた「日本や大和が好きな歌手」なのです。
一昨年の夏、胃がん手術後「余命6か月」の告知を受け退院したころ、家の百日紅が満開でした。「来年この花を観るのはムリなのか?」と思い、涙がこぼれたのを思い出す。おかげで満4年を過ぎた今も生かされており、手術後5度目のさるすべりの花を観ています。