本文へスキップ

 政治に言いたい放題、趣味に娯楽に書きたい放題

ようこそ HP ひろ坊爺さん 2 月号 


 

エンターテイメント


エンターテイメント№204  2022.02月号  おうち映画
瞽女 GOZE

2019年製作/98分/配給:エムエフピクチャーズ

スタッフ・キャスト
監督 瀧澤正治
出演 川北のん 吉本実憂 中島ひろ子 富樫真 鈴木聖奈 宮下順子   草村礼子 小林綾子 小林幸子 本田博太郎 渡辺裕之 国広富之     田中健 寺田農 島田久作 綿引勝彦 左時枝 渡辺美佐子 奈良岡朋子

三味線を奏で、語り物などを歌いながら、各地を門付けして歩く、盲目の女旅芸人・瞽女(ごぜ)。国の無形文化財保持者でもある最後の瞽女、故・小林ハルさんの半生を描いた人間ドラマ。生後3カ月で失明したハルは2歳の時に父と死別し、盲目のために7歳で瞽女になる。(映画.com)

2019年の製作というからまだ3年前、このような映画が世に出ていたのを知らなかった。瞽女 の存在も遠い昔の話だと思っていた。「はなれ瞽女おりん」という映画や、演歌の中の物語としてしか私の意識の中になかった。

 しかし、この映画のモデル、最後の瞽女小林ハルは2005年になくなっている。僅か15年前のことである。

ハルが瞽女になると決まって、それまではやさしかった母のトメは、心を鬼にしてハルを厳しくしつける。見えない目で針に糸を通す練習で、何度失敗しても容赦せず練習を続けさせる母親の心中を察して最初の涙。それは、母親が子を思う愛情の深さだった。そんな母親のやさしさに気づかぬまま、ハルは8歳で親方とともに初めての巡業の旅に出る。

瞽女 の旅には4~5人が一組になり、一人だけ目が見える女を先頭に、見えない女たちが前の女性の肩を手に連なって雪深い山や川を渡り目的の村まで歩く。ある巡業の先頭の女に、やさしい性格と容姿で人に愛されるハルを嫉んで女性として致命的で一生子供ができない傷を負わせられる。そのような目にあっても人を恨まずまっすぐ生きていく彼女を観てまた涙。

余談ですが、新潟が舞台で昭和初期の実話をもとにしたこの映画の中で「羨ましい」を「けなるい」というのを聞いて、吉野郡の山奥で育ったころを思い出しながら、そこだけの方言と思っていた言葉が越後でも?と不思議に思った次第です。

 
前へ  次へ